調達部ってどんな仕事?現役社員がリアルに語るその魅力と実情

仕事

みなさん、こんにちは。

中流勤労投資リーマンです。

今日は、転職や新卒就活で「調達職」を考えている人に向けて、調達部がどんな部署なのかをざっくり解説してみる。

筆者自身、日系企業で調達職に携わる現役社員として、リアルな経験をもとに書いている。もちろん、あくまで筆者の独断と偏見が多めの内容だが、参考程度に読んで欲しい。

そもそも調達部とは?

調達部とは、簡単に言えば 「会社が必要とするものを外部から仕入れる役割を担う部署」 だ。製造業であれば部品や原材料、サービス業であれば必要な外注業務などを調整し、必要なコストで、適切な品質と納期を実現することが主な仕事だ。

正直、調達部の仕事の範囲や責任は会社によって大分違う、ただ大体以下について関わるだろう。

1. 調達計画の策定:事業部や開発部門と連携し、案件に必要な買い物を洗い出す
2. サプライヤー選定:複数の取引先候補から、条件に合った会社を選定
3. 価格交渉:コスト削減を目指して交渉、調整
4. 契約締結:取引条件を詰め、契約/発注
5. 納品管理:発注したものが適切に届くようにスケジュール管理

一見地味に感じるかもしれないが、会社の利益や競争力に直結する重要なポジションだ。コスト削減や安定的な供給確保を達成することで、企業の成長を支える、やりがいのある仕事だとは思う。

身に付く能力

調達部での仕事を通じて得られるスキルはかなり幅広い。以前、他記事でも調達部で得られるスキルについて書いたが、ザックリ以下に収まるのかなと

1. 交渉力
 取引先との価格や条件の交渉は日常業務の一部だ。単に「安く買う」だけでなく、 Win-Winの関係を築く力 が求められる。
2. 分析力
 市場価格の調査や、原材料の動向分析など、データをもとにした判断が必要。
3. プロジェクト管理能力
 納期の調整やサプライチェーン全体の進捗管理など、多方面に目を配るスキルが鍛えられる。
4. リスク管理能力
 サプライヤーの倒産や自然災害など、予期せぬ事態に備える力も重要。

これらは、調達業務だけでなく他の職種や異業種への転職にも役立つ汎用性の高いものばかりだ。経験しといて損は無いとおもう。

どんな人が向いてる?

正直調達の仕事は誰でもできると思う。別に理系だろうが文系だろうが活躍できる職種なのではと考える、なぜなら殆どのスキルは仕事に着いてから後天的に得ていくものだから。ただ筆者の経験上、何となくソフトスキル的な所で以下があげられるのでは感じる。

1. メンタルが強い人

交渉やトラブル対応が多いため、精神的にタフであることが求められる。特に価格交渉は予算とのせめぎ合いや自分の通期で課せられた予算目標との勝負だ。

また社外との交渉も大変だが、社内との交渉も大変だ、しっかり適正価格を予算に反映させ売価転嫁しないといけないし、社内向けに説明もしなくてはいけない。

筆者は特に対社内への調整や交渉が嫌いだ。時に意見が合わず喧嘩する事もあるし精神的に疲れる。性格柄争いは避けて通るタイプなので(笑)。とにかく板挟みになる事が多い。

2. 数字に強い人

調達部は「数字」に敏感な職種です。価格交渉や積算では細かなコスト試算が求められるほか、あるゆるアウトプットの数字に理由やロジックが求められる。

数字に強い人や細かい計算が得意でストーリーを作れる人に向いているだろう。

3. 何事にも興味を持って自分ごとで取り組める人

調達部では、会社が扱う製品やサービスを深く理解しなくてはいけない。また、原材料や市場動向についても知識を深める必要がある。

ただぶっちゃけ他人の調達で発注する物は別に自分の身銭を切って発注する物ではない、事業部や設計部門が予算を組んで発注しているので本質的な話し他人の買い物だ。他人の買い物に主体的に取り組むのはかなりメンタル面で積極性が無いと辛いだろう。

好奇心旺盛で、何事にも主体的に取り組める人が活躍しやすい。

よくある質問

まあ調達部に関しての紹介はこの程度までにして、よくある質問に答えてみようと思う。やはりこの調達という職種は珍しいし、立場的にも旨い所はある。そういった連想からかくる質問なのだろう。

ぶっちゃけ接待漬けなの?

「調達職=接待漬け」というイメージを持っている人もいるかもしれないが、実際はそこまで派手なものではない。

昔はすごかった

バブル期などの昔話では、「接待でゴルフ三昧」や「毎晩飲み会」というエピソードをおじさんたちから聞くこともある。ただし、 現在ではコンプライアンスが厳しくなり、接待自体が減少。

たまに「接待を受けすぎて痛風になっちゃったんだよねw」と自慢話しをしているシニアがいて、昔の接待の激しさを物語っている。まあ筆者的には馬○だなあの一言。

今はたまに飲みに行く程度

現在では、関係構築のために飲みに行くことはあっても、頻度は少ないです。むしろ、事業部側の方が接待の機会が多い傾向があるのでは?

花形部署ですか?

正直に言うと、調達部は会社内で「花形部署」と呼ばれることは少ない。営業や開発部門のように直接的に売上や新製品開発に関与するわけではないため、社内での注目度は低い。

ただお金を触ってる部署だし、利益には直結する活動をしているので、勿論社内的な地位が凄く低いわけではないが、他業界他社の調達の話を聞く限り総じて高くはない。

しかし、 縁の下の力持ちとして企業を支える重要な役割 を果たしているのは間違いない。

社長になれますか!?

調達部からのキャリアパスについては、会社や業界によって異なる。ただ、一般的には 社長への出世は難しい 部署だと言われることが多いのが事実だ。

理由として、会社の中核となる部署ではないことが大きい。ただし、近年は調達の重要性が見直されており、 戦略的な役割を担うポジション として注目されている。また大企業でも最近は調達上がりの社長も出てきている※海外は昔からいたけど。

勿論そもそも資質的な所も必要だろうが、昔の調達は業者を叩ければそれでよかった、予算より1円でも低減が取れるのが偉いという価値観の基部署運営されてたので、非常に視野が狭い人間が多かった。しかし昨今の複雑化した社会ではただ買い叩けばOKというのは終わり広い視野がまとめられる。

ここまで記事で記述している通り調達はなんだかんだでビジネスパーソンとして必要な知識を身につけることができるので経営者としての資質も充分磨かれる部署だとは感じる。

物を買うだけの仕事?

近年では、調達部の役割が従来の「コスト削減」だけでなく、 サプライチェーン全体を戦略的に管理する部署 として見直されている。

例えば:
• サステナビリティ対応:環境に優しい仕入れ先の選定や、エシカルなサプライチェーン構築。
• リスクマネジメント:災害や政治的リスクを見据えた調達戦略の策定。

昔はただ安く買い叩くのが仕事だったが、これだけ複雑化した現代社会においてはよく考えての物買いが求められる。

またコストだけでなくコンプライアンスやプロジェクトマネジメントなど幹部層から期待される事は非常に広くなっている印象だ。

こうした動きにより、調達職の重要性が増しており、キャリアの選択肢としても注目されてはいる。

最後に

調達部は、花形部署ではないかもしれないが、会社の基盤を支える重要な仕事を担う部署だ。数字や調整が常で、またそれだけではなく関わろうと思えばプロジェクトに大きく関与もできる。主体的に仕事に取り組む人には非常に向いている職種だと考える。また、幅広いスキルが身に付くため、キャリア形成の基盤としても大いに活用できるのでは?

この記事を読んで、少しでも調達職に興味を持ってもらえたら嬉しい。

以上

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