配当金中毒注意!毎月配当ETFのポートフォリオ戦略と銘柄の紹介

投資

みなさん、こんにちは

中流投太郎です。

「毎月配当」――投資をする上で、この言葉に惹かれる人は多いのではないだろうか。定期的に口座に配当金が振り込まれるというのは、精神的な安定感を与えるし、何より「資産が働いている」という実感が湧くものだ。

しかし、毎月配当を謳うETF(上場投資信託)には注意点も多い。この記事では、毎月配当型ETFの特徴や種類、そして選ぶ際に気をつけるべきポイントを解説する。特に初心者や、配当金生活に憧れる人に向けて、現実的なアドバイスを届けたいと思う。

1.毎月配当型ETFの魅力と罠

まず「毎月配当」と聞くと、株式投資の初心者にとってはとても魅力的に聞こえるのではないだろうか。安定したキャッシュフローが得られ、配当金を使って生活費の一部を補える――こんなイメージを抱く人も少なくないだろう。しかし、ここで立ち止まってほしい。毎月配当型ETFは、決して魔法の投資商品ではない。

多くの場合、毎月配当型ETFは以下の特徴を持っている。

・配当利回りが高い(5%以上の場合が多い)
・その分、元本(価格)の減少リスクが高い商品が多い
・基本的に「高配当」を維持するための特殊な構造を持つ

「配当金が欲しい!」という欲求に応えてくれる一方で、元本割れや税金面でのリスクを考えると、慎重に判断すべきだろう。特に、毎月配当型ETFをポートフォリオの中心に据えるのは危険な戦略だ。

2.ポートフォリオのコアにしてはいけない理由

毎月配当型ETFは、いわゆる「コア資産」には向かないと言える。コア資産とは、長期的な資産成長を支える中核的な投資対象のことだ。多くの場合、S&P500や全世界株式インデックス、米国全体の債券市場に連動するようなETFがコア資産に選ばれる。

一方で、毎月配当型ETFは高配当を重視するあまり、価格変動リスクや配当の減少リスクが高くなる傾向がある。さらに、以下の理由で長期投資には向かないことが多い:

・配当利回りが高すぎる場合、企業自体の成長性が低い可能性がある。

・再投資に適していない(税金や手数料でコストが増える)。

・景気後退時には、配当そのものが減少または停止されるリスクがある。

つまり、毎月配当型ETFはポートフォリオの「アクセント」程度にとどめるのが賢明だ。安定的なキャッシュフローを目的としている人が「お小遣い的」に楽しむ範囲で利用すべきであるだろう。

3.毎月配当ETFを紹介

ここまでの内容を踏まえてこれから毎月配当ETFの紹介をしてみようと思う。ただし投資は自己責任だし、前途したように主力銘柄にするのはオススメしない。

3.1.優先株系の毎月配当型ETF

優先株とは、通常の株式(普通株)よりも配当が優先される株式のことだ。企業の成長に比例して値上がりする可能性は低いが、その分、配当が安定している点が特徴だ。

優先株系ETFで代表的なものを挙げると:

PFF(iShares Preferred and Income Securities ETF)

優先株を中心に構成されたETFで、配当利回りは高め。価格変動は比較的小さいが、その分成長性は限定的だ。

PGX(Invesco Preferred ETF)

こちらも優先株に投資するETFで、配当利回りが高いことが特徴。PFFと似た動きをするが、構成銘柄や配当スケジュールに若干の違いがある。


優先株系のETFは、価格が比較的安定しているため、毎月配当型ETFとしてはリスクが低めの選択肢と言えるだろう。ただし、債券ほどの安全性はないため注意が必要だ。

3.2.債券系の毎月配当型ETF

債券系ETFは、債券に分散投資し、そこから得られる利息を配当として分配するタイプのETFだ。比較的リスクが低く、安定的な配当が期待できるが、利回りは優先株系より低いことが多い。

代表的なETFは以下の通り:

BND(Vanguard Total Bond Market ETF)

米国の債券市場全体に投資するETF。価格は非常に安定しているが、配当利回りは控えめ。リスクを抑えたい人向け。

HYG(iShares iBoxx $ High Yield Corporate Bond ETF)

ハイリスク・ハイリターンの高利回り社債(いわゆるジャンク債)に投資するETF。利回りは高いが価格変動リスクも大きい。
債券系ETFは、ポートフォリオ全体の安定性を高める役割を果たすため、コア資産としても使えるが、毎月配当型ETFとして考える場合には配当利回りの低さを許容する必要がある。

3.3.仕組み債系の毎月配当型ETF

仕組み債系ETFは、大変適当な説明をすると金融工学を駆使して高い配当利回りを実現するよう設計された商品だ。一見魅力的に見えるが、仕組みの内容が複雑で、リスクを理解しにくい点に注意が必要だ。

代表例:

QYLD(Global X Nasdaq 100 Covered Call ETF)

ナスダック100指数に連動するカバードコール戦略を採用したETF。配当利回りが非常に高いが、その分、価格の上昇が期待しにくい。

JEPI(JPMorgan Equity Premium Income ETF)

米国の大型株とオプションの売却を組み合わせたポートフォリオからインカムを獲得し、それを原資として毎月分配をするETFだ。QYLDよりも分配金利回りは低めだが、リスクは抑えられている。

仕組み債系のETFは高い利回りを誇る一方で、元本割れのリスクや配当の減少リスクが高い。特に初心者は理解が難しいため、慎重に検討すべきだ。

4.最後に

毎月配当型ETFは、投資の「アクセント」としては魅力的な商品だが、「コア資産」として使うには不向きだ。優先株系、債券系、仕組み債系など、それぞれのETFの特徴を理解し、自分の投資目的やリスク許容度に合った商品を選ぶことが重要ではないだろうか。

最後に繰り返すが、投資は自己責任である。この記事で紹介したETFも、魅力的な配当利回りの裏側にはリスクが潜んでいる。しっかりと情報を収集し、慎重に判断することをおすすめする。配当金を得ながら資産を育てるという目標に向けて、賢い選択をしてほしいと思う。

以上

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