みなさん、こんにちは。
中流投太郎です。
今日はちょっと業界トークをしてみようと思う。テーマはずばり――
「プラント業界で働くのはすごく鍛えられるけど、一生はいたくないんじゃないだろうか」
という話だ。
なぜこんなことを言うのかというと、筆者自身がまさにこの「プラント業界」で働いているからだ。だから内部から見たリアルな視点を少し語ってみたいと思う。
プラント業界とはなんなんだろうか
まず「プラント業界」と聞いても、正直ピンとこない人も多いんじゃないだろうか?シンプルに言うと、プラント業界とは 巨大インフラや工場の建設に関わる業界 のことだ。
化学プラント、水力発電所、オイルリファイナリー(石油精製所)、農薬工場…。
いわゆる「モノづくりの根幹」を支える超大型設備を扱う。
守備範囲も会社によって違うが「設計 → 調達 → 建設 → 運転 → 保守」まで、産業を動かす仕組みを作るのがこの業界の仕事だと思う。また、社会インフラに直結するからこそ、仕事の金額も数十億~数千億単位。桁が違う世界だ。
ただ、その分責任やプレッシャーも桁違いなのは言うまでもない。
プラント業界の特徴
では、この業界の「特徴」を挙げるとどうなるだろうか。私自身の体感も交えてまとめてみたい。
1. 労働環境が厳しい
建設現場に行けば、40℃近い炎天下や耳をつんざくような騒音環境での調整が当たり前。オフィスにいても、トラブルが起これば即座に対応しなければならず、残業や休日出勤が延びることも少なくない。体力・気力の両面で消耗するのは避けられない。
2. グローバルな環境に放り込まれる
プラント案件の多くは海外で行われる。中東、アフリカ、中南米、東南アジア…。
場所によっては治安が不安定だったり、生活インフラも整っていないケースも多い。しかも、現地の人材・海外の取引先・外資系企業とのやり取りが必須。英語や他言語での交渉力は避けて通れない。
3. 給与は高いほう?
「キツイ業界は給料も高い」というのはある意味本当だ。危険性や拘束時間の長さを考えれば、課税前の収入は比較的恵まれている。
ただし――「命や健康を削って稼ぐ」場面もあるのが現実。
プラント業界で得られるもの
それでも、この業界で働くことで得られるものは非常に大きいんじゃないだろうか。
1. 英語力が否応なしに鍛えられる
外資との打ち合わせや契約書のやり取り、海外出張…。毎日の業務で英語を使う機会が多く、強制的に語学力が伸びる。
「TOEICで高得点を取ったけど実践で使えない」なんて人も、この業界に入ればあっという間に実地トレーニングされるだろう。
2. 調整力が磨かれる
プラントの案件は規模が大きい。関わる人は数百人単位、サプライヤーも数十社にのぼる。その間に立って調整するのは地味に大変だが、確実にスキルは身につく。
「人を巻き込み、落としどころを探る力」こそ、この業界の最大の武器なんじゃないだろうか。
3. 海外経験という財産
長期駐在や海外出張が多い。
現地での生活はハードだが、結果として「グローバルな視点」が身につくのは大きな価値だと思う。
4. 胆力(ハートの強さ)
事故やトラブルはいつでも起こり得る。そのたびに胃がキリキリするような判断を迫られるが、そういう経験こそが胆力を養う。「普通の会社員生活では経験できない修羅場」を数多く踏むことで、肝っ玉が据わっていくんじゃないだろうか。
5. マネジメント力
大型プロジェクトの進行管理、数十億のコストコントロール、人材の手配…。
マネジメントを若いうちから任されるのは、この業界ならではの特徴かもしれない。
それでも一生はいたくない
ここまで読むと「プラント業界、いいじゃん!」と思う人もいるかもしれない。
だが、現実的にこの業界に一生居続けるのはかなりしんどい。
理由はシンプルで、 心身への負荷があまりに大きい からだ。
・体を壊す人
・メンタルをやられる人
・家庭との両立に苦しむ人
こうした例を嫌というほど見てきた。
確かに得られるスキルや経験は大きい。だが「それを一生続ける」には代償が重すぎる。
結論:修行の場としては最高、ゴールの場ではないんじゃないだろうか?
プラント業界は確かに社会を支える重要な業界だ。北欧・中東・中南米・アフリカなど、世界中で案件が進む成長市場でもある。だが同時に、労働環境は過酷で「消耗戦」になることも多い。
だからこそ筆者が思うのは――
「プラント業界は人生の修行の場としては最高だが、一生の居場所にするのはおすすめしない」
ということだ。
この業界に飛び込むなら「どのスキルを持ち帰りたいのか」を意識して、効率的に吸収して、次のキャリアにつなげていくのがベストなんじゃないだろうか。
というわけで、今日は「プラント業界は成長できるけど、一生はいられないんじゃないだろうか」という話をしてみた。
読んでくれた方は、ぜひ自分のキャリアを考えるときの参考になればと思う。
以上
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